傍流雑記帳

「本流」をはずれたら、気づいたことがたくさんあった。

森の国・日本

最近、電動アシスト自転車を購入したら、これがなかなかイイ感じだ。

加速も良いし上り坂もラクラク。電車で1~2駅分の距離なら余裕で行けるので、行動範囲が広がった気がする。もっと早く買えばよかった。

ところで、電動アシスト自転車も電気自動車同様、バッテリーがキモなのだが、メーカーのユーザー登録をするとバッテリーの保証期間が延長されるとのことで、さっそく大手電機メーカーP社の登録サイトにアクセスしてみた。

まず、メールアドレスとニックネームを入力したあと、性別を選ぶのだが、上段に男性、下段に女性の選択肢があり、デフォルトで男性にチェックが入っている。

ここで、ちょっと違和感を覚えた。セクシャルマイノリティである私は、こういうことに敏感なのである。性別を知りたいのであれば、この欄は女性を上段にするか男女横並びのレイアウトとし、さらに「答えたくない」という選択肢を作るのが最近のトレンドだ。デフォルトのチェックも入れるべきではない。

さらに次の項目に移ると、住居の形態を「持ち家戸建て」「持ち家集合住宅」「借家戸建て」「借家集合住宅」の中から選ぶようになっている。これはどういう意図を持って尋ねているのか謎だが、顧客の生活レベルを知る目安としたいのであれば、あまり意味がない設問だ。「持ち家戸建て」がヒエラルキーの頂点だったのはもはや過去の話で、今はライフスタイルが多様化する一方、ローンに追われる持ち家組よりも賃貸組の方が可処分所得が多かったりする時代だ。

なんだか昭和だなあと思わせるサイトである。

東京オリンピックのスポンサーでもあるこのP社は、ダイバシティを標ぼうし、LGBTQ関連団体の支援なども行っているが、このサイトを見ると、社内はいまだに保守的で、先進的な顔は表向きのポーズに過ぎないと感じられる。

実際、今回のオリンピック組織委員会森会長の「女性蔑視発言」が非難を浴びるなか、同社はそのコメントにおいて、自社が多様性を重視しているとは述べたものの、森氏の発言自体に言及することは避けた。

スポンサー企業として、ここは一発、ガツンと言って、圧力をかけて欲しかったのに、残念だ。

今回は、たまたま、P社がかなり時代遅れらしいということに気づいてしまったわけだが、同社のように「アップデートできていない会社・組織」は、日本中に数えきれないくらいあるだろう。いや、ほとんどがそうだと言ってもいいかもしれない。

各国のジェンダー不平等状況を分析した「世界ジェンダーギャップ報告書」なる調査によると、日本は153カ国中121位とのこと。

悲しいかな、日本は森氏のようなオジサン達に牛耳られている国なのである。