傍流雑記帳

「本流」をはずれたら、気づいたことがたくさんあった。

「こどもの城」が「都民の城」になるらしいー今だから語る「嘘つき厚労省」と「児童育成協会」

東京近郊にお住まいの方の中には、青山にあった「こどもの城」を覚えている方も多いのではないでしょうか。

大型児童館施設として人気があり、青山劇場、青山円形劇場という2つの劇場を併設していることでも有名でしたが、多くの専門家による子育て支援や、児童厚生員の指導を行う「児童館の総本山」としての役割も果たしていました。

 

厚労省所管の国立施設で、公益財団法人の「児童育成協会」が運営にあたっていたのですが、実はこの団体、私の元勤務先だったのでした。

 

「こどもの城」は、老朽化等を理由に2015年に惜しまれつつも閉館となったのですが、取り壊される気配がないため、「どうなるのかなあ」と思っていたら、東京都が買い取って「都民の城(仮称)」となるらしいという話を聞きました。

「もう、ボロくて使えないから閉めたんじゃなかったけ?」とつっこみたくなりましたが、とりあえず、来年はオリンピック関連で活用し、その後は、子供の遊び場や創業支援施設などを設置するそうです。

 

実際のところ、「こどもの城」が閉館に至った経緯は、厚労省の「公式発表」とはずいぶん異なるものでした。

きっかけは、民主党政権下で行われた「事業仕分け」で予算のあり方を批判されたことです。

開館以来、協会理事長のポストは、厚労省の「天下り指定席」なっており、そういった意味で目をつけられた面もあったため、急遽、民間から理事長を迎えることになったのですが、厚労省の役人にしてみれば、自分たちにメリットがなくなった施設を頑張って維持するモチベーションはもうありません。

その結果、予算が大幅に削減され、最終的には閉館するということになりました。

  

もっとも、閉館が決まった後も数億円を投じて、外壁の補修やレストランの改築を行うなど、現場から見れば、「もったいないなあ」と思うようなこともありました。

私たち協会職員は、国の施設を預かって運営するという立場なので、そういうことに口出しはできませんでしたが、わざわざコストがかかる工法を採用するなど、なんとなく「大人の事情」を感じさせられる出来事でした。

 

さて、厚労省天下りの理事長が追放された後、最初に民間から理事長に就任したK元理事長は、経団連出身の温厚な方だったのですが、トヨタ自動車出身のF副理事長にいびり出されてしまいました。その後、このF氏が理事長におさまったのですが、これが「吠える老害」といった感じの人で、特に管理職だった職員などは、ずいぶんひどい目にあったものです。 

「こどもの城」閉館後も、ほとんどの職員を解雇して細々と存続していた、この「児童育成協会」ですが、最近、またニュースになりましたね。

いつの間にか、内閣府の企業主導型保育事業の資金管理や助成金申請の審査という、おいしい商売を始めていたようで、その審査がすごくいい加減だったため、悪徳企業の水増し申請を見逃して多額の助成金を騙し取られたとのこと。

F氏がまだ理事長を勤めており、「これまで真摯に審査してきた」と胸を張ってコメントしていたそうですが、この人の言うことを真に受けるわけにはいきません。

同協会に仕事をさせた経緯や、責任の所在を明らかにすべきだと思います。

 

 

 

 

「夢のマイホーム幻想」、もうやめませんか。

先日の台風19号、すごかったですね。被害にあわれた方々のことを思うと心が痛みます。

 

天災が起きると、いつも考えるのが、「家を所有することのリスク」です。

賃貸の場合、たとえ家屋が全壊となっても、損害は基本的に大家が負うことになりますが、ローンを組んだ自己所有だと人生に関わる一大事となります。

 

「住まいは、賃貸が得か、買うのが得か」という議論はずいぶん前からありますよね。

「その不動産がどのくらいの利益を生むか」を計算する収益還元法をもとに、買った場合も自分で自分に家賃を払うとする「帰属家賃」の考え方に立つと、購入価格が適正であれば、買っても借りても大して変わらないということになるはずです。

しかし、「買うと家という資産が残るが、家賃はドブに捨てるようなもので、もったいない」というのが不動産業者定番のセールストークです。果たしてそうでしょうか。

 

分譲不動産の情報誌などを見ると、賃貸VS分譲のシミュレーションがよく掲載されていますが、当然ながら、「買った方が得」という方向にバイアスがかかっていますので、天災による被害や、人口減や老朽化による不動産価格の下落、あるいはリストラ等による収入の激減など、ネガティブな可能性は考慮されていません。

そういったリスクをヘッジできるのであれば、家賃という「レンタル料」を払うのも、私は決して無駄ではないと思います。

不測の事態が起きてもフレキシブルに対応できるという点で、賃貸は断然有利で、流動性が低い持ち家では身動きが取れなくなるかもしれません。

 

多くの動物には、自分の縄張りを確保したいという本能がありますから、人間にも、そういった感情があっても不思議ではありません。特に、子供がいる家庭では、持ち家で落ち着いて子育てがしたいという願望が強いようにも感じます。

でも、子育ての期間など、せいぜい二十数年です。そのために30年以上のローンを組むのは、どうなんでしょう。核家族化で老夫婦2人になった時、広い家を持て余すというケースも多いようです。

歳をとると家が借りられないという議論もありますが、今後、「世の中、年寄りばかりで空き家は急増」ということになれば、需給バランスをとるために、行政あるいは民間企業で様々な方策が取られると予想されます。

 

戦前、都心部では賃貸に住むのが一般的だったそうですが、高度経済成長期を経て、賃貸→分譲マンション→一戸建て購入で「住宅すごろく」上がりというのが理想のライフスタイルとなりました。しかし、これは、不動産価格の値上がりが見込めたバブル期までの話です。

いま、高齢者への富の偏在が話題になっていますが、彼らは1980年代前半までに持ち家を手に入れることが出来たというのも、経済的余裕の一因だと思います。

 

今後は、大都市の一等地以外は値下がりする一方でしょう。もちろん、急激なインフレが進むようなことがあれば、不動産もつられて値上がりする可能性もありますが、それは不動産の価値が上がるわけではなく、貨幣価値が下がるだけの話ですし、インフレに伴う金利上昇も考慮すると、不動産の上値も抑えられると思われます。

 

と、ここまで賃貸をプッシュしてきた私ですが、実は過去にマンションを所有していたことがあります。

2004年に東京の郊外に70平米の新築マンションを購入しました。当時は、厚労省の外郭団体に勤めており、年収もそこそこあったので、ローンの審査も楽勝でした。

ローンの返済と管理費、修繕積立金、固定資産税などを合計すると1か月当たり14万円ほど払っていたことになります。

ところが、6年後、事態は急変します。勤務先の事業廃止が決定し、早期退職を余儀なくされたのです。それまでは、「安定した職場で目指せ、定年!」と思っていたので、まったく想定外の出来事でした。

マンションは、賃貸に出すことも考えたのですが、空室リスクが怖いので、売却することにしました。

新築時の価格から200万円ほど下がったものの、まずまずの価格で売却が決まりましたが、契約日前日になんと東日本大震災が起こり、本当に焦りました。

買主さんが良い方で、予定通り売却できましたが、もし、少しでもタイミングが遅れていたら、不動産価格の下落に伴い、売却価格が大幅に下がっていたでしょう。

 

今は、家賃4万7000円のアパートに住んでいます。幸い1人暮らしなので、駅からちょっと遠いことを除けば不自由はありません。もうだいぶ長く「半隠居生活」を送っていますが、あのままマンションに執着していたら、かなり困窮していたでしょう。

同じころに退職した元同僚の中には、バブル期にマイホームを購入し、売却してもローンを完済できないということで、困っている人が何人もいました。残念ながら、失意のうちに亡くなった人もいます。

 

バブル期は、「株と不動産は永遠に上がり続ける」という「神話」が大真面目に語られていたおかしな時代でしたが、今の時代でも、「マイホーム購入」となると、テンションが上がってしまい、資産としての見極めが甘くなりがちです。ほぼ値下がり確実な株を借金して買う人はいませんが、マイホームだとそれをやってしまうんですね。しかも、資産のほとんどをそのマイホームが占めるというのもよくある話です。

 

「家を持って一人前」などと言われたのは、もう過去のことです。人生、何が起きるか、分かりません。「夢のマイホーム」が「悪夢のマイホーム」となりませんように!

 

 

この時期、あえて韓国に行ってみた! -釜山で会った人たちー

反日の国(?)に上陸

最近は、マスコミの嫌韓報道が凄まじいですが、福岡と韓国の釜山を結ぶ高速船が出ているという話を聞き、韓国の人達の対日感情はどんな感じか、船に乗って見に行ってみようと思い立ちました。

 

東京を出て、大阪、福岡に滞在したあと、博多港で釜山行きの高速船「BEETLE」(運行:JR九州高速船株式会社)に乗船です。

料金は、ネット購入で6900円ほど(燃料サーチャージ・港湾税別)。

時速70~80kmで航行するジェットフォイルで、午後の便だと対馬経由の4時間弱で釜山に到着です。

天気が悪くて残念でしたが、揺れも少なく、快適な航海でした。

乗客は少なく、対馬で乗ってきたのも韓国人の家族連れ4名だけで、昨今の日韓関係の冷え込みを感じさせます。

 

さて、釜山のフェリーターミナルに着いてからは、タクシーでホテルへ。

運転手さんが日本語を話せたので、「どこで日本語を勉強したんですか。」と訊いてみたら、「日本人の釣り友達がたくさんいるからね。」とのこと。なかなか良いおじさんです。

もしかしたら、日本語を話したくて、フェリーターミナルに日本人客を拾いにきたのかもしれません。タクシーが少なく、だいぶ待ったので、助かりました。

 

宿泊は1泊約3000円の2つ星ホテルを予約していました。

路地裏の小さなホテルで、スタッフは日本語を話しませんが、とても親切。

日勤の男性スタッフは、わざわざフロントを閉めて、近所のおいしい飲食店を教えてくれたり、交通カードのチャージに付き合ってくれたりしました。

夜勤の女性とは、いろいろと世間話をしました。なんとなく話し方や身のこなしがアメリカ人ぽいと思ったら、留学していたそうです。頭の回転が早く、話していても楽しい人でした。

ちなみに、2人とも、私が日本人であることなど、まったく気にしていない様子でした。

 

ところで、このホテル、釜山一の繁華街の西面(ソミョン)から地下鉄で2駅ほど離れた凡一(ボミル)という街にあるのですが、そこは「釜山の新宿2丁目」とでも言うべきエリアなのでした。ゲイである私としては、夜遊びに出ないわけにはいきません。

 

釜山のゲイバーデビュー

1軒目は「T」というゲイバー。マッチョなママとチーママがいて、ちょっと拙い日本語で、「○○○欲しい~。○○○しゃぶらしたら、私、一番。オリンピック金メダル!」などとお下劣なジョークで笑かしてくれます。

隣が日本人客だったのですが、彼はこれまでの25年間で訪韓50回以上とのこと。 「韓国なくして自分の人生はなかった」とまで言い切っていました。最初はハングル文字に興味をもったのがきっかけだったそうですが、それだけ引きつけられる何かがあったのでしょう。

 

2軒目は、「N」というおしゃれなカウンターバーです。店の子が、英語も日本語も分からないようなので、どうしようかな、と思っていたら、隣の席にいた韓国人(30歳くらい?)が英語で話しかけてきました。

「どこから来たの?」

「日本から」

「へぇー、そうなんだ。ところで、いまの韓国と日本の関係はどう思う?」

いきなり直球です。 東南アジアとかでも、時々、韓国人に会うのですが、日本人とみると、すぐに政治・歴史ネタを振ってくる人って、一定の割合でいるような気がします。

 

こういうタイプの人って深入りすると面倒くさくなるので、「基本的には、政治の問題だから、個人的にはどうしようもないなあ。文大統領と安倍首相がリタイアしたら、状況が変わるんじゃないかな。ちなみに僕は安倍首相、支持していないからね。」って感じであしらうことに。

彼の英語がうまいので、ちょっとおだてて「どこで勉強したの?」って訊いたら、「大学でね。僕のはクイーンズイングリッシュだから。君も日本人にしては上手だね。この前、日本に行ったら、空港の英語のアナウンスがあんまりヘタなんで、笑っちゃったよ。」などと答えてから、グラスの脇に置いてある紙コップに痰を吐くのでした。

この紙コップ、ずっと気になっていたのですが、彼の痰壺だったんですね。

おしゃれなバーのカウンターなのに・・・。せっかくの「クイーンズイングリッシュ」が台無しです。

彼は、今回の旅行中に出会った唯一の「日本嫌い」でしたが、何度か痰を吐いてから、どこかへ行ってしまったので、私もチェックして次の店へ。

 

3軒目は「G」。先の2軒はネットで見て知っていたのですが、今回は知らない店です。でも、看板の店名に日本語で仮名を振っているので、親日ぽい感じです。

入ってみると、お客はおらず、年配のマスターが一人で店番。彼は日本語OKの人でした。発音は韓国語訛りが強いものの、語彙や文法はかなり的確です。日本が大好きで独学したとのことで、感心しました。

韓国映画の話を振ってみたのですが、「私は日本の映画しかみないので、よくわからないな」とのことで、日本映画の話でひとしきり盛り上がりました。

お客がいないのは心配ですが、なんとなくほっと出来る店でした。

 

今回は、3軒しか行けませんでしたが、もともと店の数はそれほど多くなく、通りも暗い感じです。韓国では、LGBTは違法でこそないものの、保守的な世論に加えて、兵役などの絡みもあって、あまりオープンに出来るような雰囲気ではなく、なにかと肩身が狭いようです。

 

韓国人も困惑している? 「BOYCOTT Japan」

韓国旅行で一番悩ませられるのは、たぶんハングル文字でしょう。言葉が分からない外国人にとって、英語の表記くらいはしてもらわないとお手上げです。

特に食事のときは、店選びにも苦労します。

そんなわけで、初日は、とりあえず分かりやすい「純日本風のラーメン店」に入ることにしました。

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西面のラーメン屋

この店は、メニューは全て日本語で、店員さん達の会話も(少なくても客の前では)日本語です。

でも、店頭には、しっかり「BOYCOTT Japan」のポスターが・・・。

「この店では、日本製の材料を使っていません。」という内容らしいですが、これだけ「日本」を前面に押し出しておいて、「材料だけは違う」とアピールするのもどうなんでしょう。

ちなみに、ラーメンはなかなか美味でしたが、しっかりピリ辛になっていたのが残念。地元のお客さんも結構入っていました。

 

 

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釜山駅構内のレストラン

このポスターは、釜山駅構内のレストランにあってあったもの。

「BOYCOTT Abe」と書いてありますが、よく見ると「Abe」の部分はシールで修正してありました。

おそらく、修正前は「Japan」になっていたけれど、街の玄関口とも言える釜山駅に「BOYCOTT Japan」があるというのはまずいということで、直したんだと思われます。

 

これらを見てみると、とりあえず「反日」の世論に調子を合わせなくてはいけないが、なんだか面倒くさいなあ、っていうようなノリが感じられます。

日本同様、同調圧力が強いお国柄で、なにかと大変そうですが、本当は、日本のラーメンは大好きだし、日本からの観光客が減るのは困るという人も多いのではないでしょか。

 

マスコミ報道はどんな感じ?

私も、もう年なので、歩き回ると疲れてしまい、ホテルやスパで、ボケ~とテレビを見ていることも多かったです。

あいにく韓国語はさっぱりわかりませんが、もっぱら法相候補チョ・グク氏の不正疑惑の話題ばかりで、日韓関係の報道はあまりされていないようでした。ちょうど、同氏の国会聴聞会が開かれるというタイミングもあり、テレビ報道もそれ一色という感じでした。

ただ、英語放送(現地のArirang TVというのがありました)に関しては、日韓関係のかなり詳しい解説がされていて、GSOMIA破棄に対するアメリカのネガティブな反応なども取り上げられていました。感情的な表現は見られず、わりと客観的な分析がなされていたと思います。もっとも、途中で “Peaceful Korean island, Dokdo” (独島=竹島ですね)なんていうプロモーションビデオが挿入されて、微妙な感じでしたが・・・。

 

 

ズバリと当たる!? 釜山の占い師

釜山市南部のチャガルチという街は、昔ながらの魚市場があったり、夜店が出たりと、なかなか楽しいエリアですが、その下には大きな地下街が伸びています。

そこで、「日本人大歓迎」という占い師が店を出していたので、面白そうだと思い、寄ってみました。四柱推命で料金は1万ウォンまたは1000円。もちろん日本語です。

観てもらうと、いきなり「あなたは、女に縁がないね。」と一言。お~、一発でゲイと見抜かれたかと一瞬びっくりしましたが、そういう意味ではなかったようです。

そして、「孤独な生活を送り、金銭的にもあまり恵まれないが、長生きはする」そうですが、それって、もしかして最悪の老後じゃないですか!?

 

それはともかく、占い師氏(60歳前後・男性)が言うには、「韓国人は、声が大きくてうるさいし、マナーも悪いからね。その点、日本人はいいよ。」とのこと。

私は「いや、日本にもマナーが悪い人は多いですよ。」と返したのですが、彼は「韓国の方が全然ダメだよ。」なんて言います。

その時、私は、ゲイバー「N」で会った、あの「痰吐き男」を一瞬思い出したりしたのですが、結局のところ、どこの国にも、「ちゃんとした人」と「そうじゃない人」はいるもので、「国民性」というものはあるにせよ、一人一人を見れば、「○○人だから○○である」というステレオタイプ的な見方は、ほとんど意味をなさないと思います。

 

嫌韓、もうやめませんか。

当初は4泊の予定だった釜山滞在ですが、思いのほか居心地が良かったので、結局、6泊もしてしまい、帰りは大韓航空の成田行きが13,800円で取れたので、飛行機で帰ってきました。国内並みの手軽さで海外に行けてしまうというのは、なかなか楽しいものです。

 

帰国後、意外だったのが、日本のテレビがワイドショーなどで、前出のチョ・グク氏の一件を大々的に取り上げていることです。

これは、完全に韓国の内政問題であり、日韓関係には直接関係ありません。(もっとも、これをきっかけに文政権が崩壊するようなことがあれば別ですが・・・)

マスコミは騒いでなんぼの商売ですから、当面は、韓国ネタならなんでもOKで、それを嫌韓で盛り上げておけば、数字も稼げてなお結構というスタンスなんでしょう。

  

外交上の対立は、政治家達のメンツや利害によるところが大きいですが、彼らにとっては、対立が深刻になればなるほど国内の諸問題から国民の目をそらすことが出来るというメリットがあります。

そういう意味では、日韓関係が悪くなった方が両国首脳にとって都合が良いということになります。

しかし、それは大きなツケとなって返ってくるのは間違いありません

 

個人レベルでの交流では、そういった政治的対立とは距離を置くべきでしょう。

私が釜山で見てきたように、韓国には日本が大好きな人がたくさんいるし、日本でも韓国が大好きな人や、頑張って生きている在日の人達がたくさんいるわけです。

 

マスコミも、そして私たち自身も、嫌韓はもういい加減にして、本来、私たちが考えなくてはならない国内問題にも目を向けるべきだと思います。

軽減税率の悲劇ー頭が良すぎてお間抜けに見えてしまう気の毒な人たち 

10月の消費増税まで、残りわずかとなりました。

世界経済が不安定になり、株価も軟調な昨今、タイミング的にはどうかと思いますが、天変地異でも起きない限り、予定通り引き上げられるでしょう。

 

個人的には、税率アップもさることながら、複雑怪奇な軽減税率による悪影響も気になります。

先日、新聞を読んでいたら、国税庁が「軽減税率Q&A」を改定したという記事がありました。(8月2日 日経新聞

なんでも、「企業からの質問に解答し」たものがほとんどで、「実務的な内容が目立つ」そうです。

一例として、「屋台のたこ焼きをベンチで食べる場合」が取り上げられていて、これがなかなか面白かったので、紹介したいと思います。

 

屋台の店主が置いたベンチで食べるなら税率10%(外食扱い)ですが、近隣ビルのベンチで食べる場合はどうなるのでしょう。

答えは、「屋台の店主とビル管理者との間で『ビルのベンチを使って食べていい』というような暗黙の合意があれば10%になる」とのことです。

 

なるほど~。よく考えますよね。

たしかに理屈としてはそれで良いかもしれませんが、「実務的」には、どうかなあって感じです。

お客は、ビルのベンチについて、店主とビル管理者の間に合意があるかどうか、わかりません。とにかく「暗黙の合意」ですからね。店番をしているのがバイトだったら、店の人に聞いても分からないかもしれません。

となると、「すぐに食べたい」というお客には、「あそこのベンチには、『暗黙の合意』がありますから、税率10%になります」とその都度、案内するのでしょうか。

 

たぶん、いわゆるエリートと言われるようなお役人が考えた答えなんでしょうが、なんだか現実離れしていて、かなりお間抜けな印象を受けます。

もっとも、彼らとしても、一旦、政府が決めてしまった制度である以上、なんとしてでも辻褄を合わせなければならないというプレッシャーもあるでしょうし、誠にお気の毒と言うしかありません。

 

このように、突っ込みどころ満載の軽減税率がスタートしたら、あちこちで混乱が起こり、小売業や飲食業に従事する人達、特に小規模事業主の方々にとっては、悪夢ような日々が続くでしょう。

低所得者層への配慮」と国民のご機嫌取りのために導入される制度ですが、あまりの複雑さに、かえって消費の足を引っ張るかもしれません。

 

なにはともあれ、国税庁の優秀な職員の方々におかれましては、これからも引き続き、頑張っていただきたいと思います。

「チャッキーだらけの社会」の恐怖

新作映画「チャイルドプレイ」を観てきました。(以下ネタバレ注意)

 

ご存じの方も多いかと思いますが、1988年に公開された第一作とそれに続くシリーズのリメイク版で、意思を持った人形が殺人を繰り返すというホラー映画ですね。

「主役」の人形、チャッキーの顔が不細工になったなんていう声も聞きますが、なかなか面白かったですよ。

 

最先端テクノロジーを誇るアメリカの企業(なんかgoogleぽい?)が開発した「バディー人形」。

音声認識や各種センサーなど、ハイテク技術満載ですが、実は、ベトナムブラック企業で生産されています。その従業員の1人が、会社への不満から、製品のプログラムを改変してAIの行動制限を解除した「欠陥品」を出荷してしまいます。

なんだか2008年の中国製毒入り餃子事件を思い出させる話ですね。

 

出荷後、その人形「チャッキー」は、母親からのプレゼントとして、孤独な少年アンディに贈られ、2人は「親友」になります。しかし、次第にアンディの周辺で異変が起こりはじめ、ついには、連続殺人へと発展します。

その殺しの手口が凄まじく、スプラッターテイスト全開なので、そういうのがお好きな方は、かなり楽しめるでしょう。

 

しかし、です。この映画が本当に怖いのは、殺人のシーンではなくて、「これに近いことが実際に起こるかもしれない」という恐怖だと思います。

 

第1作から続く初期のシリーズは、ブードゥー教の呪いによって、人形に命が吹き込まれてしまうという設定だったので、そんなことが現実となることは、まず考えられません(可能性が0ではないかもしれませんが・・・)

でも、今回の主人公は、とにかくハイテク仕掛けなのです。

AIは、いま急速に進化する一方でブラックボックス化しつつあり、しかもIoT (Internet of Things モノのインターネット)とやらで、あらゆる電子機器にネットで繋がっています。あるセキュリティ会社幹部はIoTを"Internet of threat" (脅威のインターネット)と呼んででいましたが、正にその通りだと思います。

 

この映画の中でも、犠牲者の一人は、チャッキーの指示によって暴走した自動運転タクシーで事故死してしまうのですが、自動運転車が普及した将来、AIのバグや悪意を持ったハッカーが事故を引き起こすというのは、十分考えられます。

 

7月23日付けの日経新聞によると、多くの企業で、AIのブラックボックス化には頭を悩ませているそうです。AIの判断の根拠を人間が検証できないため、事故などで説明責任が生じた時に対応できないんですね。

また、Googleの画像認識AIが黒人をゴリラと認識したり、マイクロソフトの会話型AIがツイッターで不適切な言葉を連発するなど、倫理的な問題が生じている例も紹介されていました。

 

常に新しい技術を追求したいエンジニアの気持ちや、それをビジネスチャンスとしていきたい企業の思惑もよく分かりますが、AIによる事件・事故が起きないことを祈っています。

一民間人にも忖度しまくるマスコミの愚

先日、ジャニーズ事務所社長のジャニー喜多川氏が亡くなり、「家族葬」とやらも執り行われたそうですね。

亡くなった当日は、テレビにニュース速報が流れ、国民的有名人といった扱いでした。

テレビを中心とするマスコミ業界には、絶大な権力を持っていたそうですから、業界関係者にとっては大ニュースだったのかもしれませんが、ジャニーズファン以外の一般の人達にとっては、それほどインパクトがあるニュースでもなかったような気がします。

 

それはともかく、すごく気持ち悪かったのが、その後のマスコミによる「ジャニーさん礼賛報道」です。歯の浮くような美辞麗句の数々・・・。

たしかに、小さな野球チームにすぎなかった「ジャニーズ」を男性アイドルの帝国に育てあげたのですから、それなりの才覚があった人なんでしょう。

しかし、彼が「負の側面」も持つ人物であったのは、多くの人が知っているはずです。

 

1999年、週刊文春が彼の所属タレントに対する性的虐待に関する特集記事を掲載し、それに対して、ジャニー氏は損害賠償を求める民事訴訟を起こしましたが、元所属タレントらによる証言により、最高裁で彼の性的虐待は認定されました。

 

事務所において、ジャニー氏は絶対的な権力者であり、所属タレントは逆らうことができません。そういった立場を利用して性的虐待を行うというのは、許されることではありませんが、結局、彼は責任を問われることはありませんでした。

 

当時から、この問題はマスコミ業界でタブー視されていて、国内では、現在に至るまでほとんど報道されていませんが、むしろBBCなどの海外メディアの方がきちんと伝えているようです。

なんだか、強力な言論統制を敷いているお隣の某大国みたいですね。

 

暗黙の自主規制により真実に目を向けないマスコミの姿勢は、あまりに情けないと思います。

「私たちは、権力者に忖度するので、公正な報道が出来ません」と宣言しているようなものです。

これでは、読者、視聴者の信頼は得られないし、政治権力にも舐められっぱなしということになってしまいます。(いや、もうなっていますね・・・)

 

かつて、報道は権力監視の役割を担っていたはずですが、いまや、それを期待できるのは週刊文春だけなのでしょうか。

いわゆる「世間」について

最近読んだ「ひなた弁当」という小説がなかなか面白かったです。

50歳目前でリストラされてしまったオジサンが、公園で子供がどんぐりを拾っているのを見て、「食べてみようか」と思いつく。実際に調理して食べてみるとなかなかイケる。

さらに、野草の採取や魚釣りもしてみると、これが結構いい食材となることがわかり、これらを材料として弁当屋を始めたら、応援してくれる人もでてきて・・・というストーリー。

まあ、食材の安定調達という点では難しいような気もしますが、私もリストラ経験者ですので、共感できる内容でした。

ただ、この主人公が私と違うのは、妻子持ちだということです。会社をクビになったことが奥さんにばれると、「ご近所の目があるので、朝はきちんとスーツを着て今まで通りに出かけるように」と申し渡されてしまいます。「世間体」というやつですね。

仕方なく、公園をブラブラしていたら、「どんぐり」に出会って、という展開です。

日本では、コースから外れてしまった人は大変なんです、ほんとに。

 

ひなた弁当 (小学館文庫)

ひなた弁当 (小学館文庫)

 

 

ところで、以前からよく考えているのが、「日本はなぜ治安がいいのか」ということです。

諸外国に比べると、犯罪の発生率はかなり低いですし、東日本大震災のときも、政府の対応が非常にお粗末だったにもかかわらず、暴動や略奪も起きず、世界中から絶賛されたものです。

しかし、その一方で、企業の不正は後をたたないし、通り魔的な無差別殺人も増えています。

日本人の「善悪の判断」はどこにあるのか。そんな疑問に答えてくれたのが、「犯罪の世間学」(佐藤直樹著)です。

著者は、「日本の治安が良いのは、海外には存在しない『世間』があるから」と断言します。うーん、なるほど。まさに目から鱗です。

 

日本人は、ウチとソトを使い分ける社会のなかで、強力な同調圧力にさらされています。

ソトに対しては、厳しい世間の目がありますから、ひたすら「真面目」であることが要求されます。しかし、ウチでは「空気を読む」ことが大切で出た杭は打たれますから、コンプライアンスや事の善悪よりも「空気」の方が重要になっていきます。

一方、世間から排除されてしまった人は、その苦しさのあまり、凶悪犯罪にはしってしまう。著者は、「秋葉原無差別殺傷事件」などを例に出し、それらの犯罪を「ヤケクソ型犯罪」と呼んでおり、その根底にはかなりの割合で自殺念慮があることに言及しています。

 

最近は、なんとも気持ちの悪いニッポン礼賛が大流行りですが、その裏にある「世間による息苦しさ」に鋭く迫る一冊でした。