傍流雑記帳

「本流」をはずれたら、気づいたことがたくさんあった。

一民間人にも忖度しまくるマスコミの愚

先日、ジャニーズ事務所社長のジャニー喜多川氏が亡くなり、「家族葬」とやらも執り行われたそうですね。

亡くなった当日は、テレビにニュース速報が流れ、国民的有名人といった扱いでした。

テレビを中心とするマスコミ業界には、絶大な権力を持っていたそうですから、業界関係者にとっては大ニュースだったのかもしれませんが、ジャニーズファン以外の一般の人達にとっては、それほどインパクトがあるニュースでもなかったような気がします。

 

それはともかく、すごく気持ち悪かったのが、その後のマスコミによる「ジャニーさん礼賛報道」です。歯の浮くような美辞麗句の数々・・・。

たしかに、小さな野球チームにすぎなかった「ジャニーズ」を男性アイドルの帝国に育てあげたのですから、それなりの才覚があった人なんでしょう。

しかし、彼が「負の側面」も持つ人物であったのは、多くの人が知っているはずです。

 

1999年、週刊文春が彼の所属タレントに対する性的虐待に関する特集記事を掲載し、それに対して、ジャニー氏は損害賠償を求める民事訴訟を起こしましたが、元所属タレントらによる証言により、最高裁で彼の性的虐待は認定されました。

 

事務所において、ジャニー氏は絶対的な権力者であり、所属タレントは逆らうことができません。そういった立場を利用して性的虐待を行うというのは、許されることではありませんが、結局、彼は責任を問われることはありませんでした。

 

当時から、この問題はマスコミ業界でタブー視されていて、国内では、現在に至るまでほとんど報道されていませんが、むしろBBCなどの海外メディアの方がきちんと伝えているようです。

なんだか、強力な言論統制を敷いているお隣の某大国みたいですね。

 

暗黙の自主規制により真実に目を向けないマスコミの姿勢は、あまりに情けないと思います。

「私たちは、権力者に忖度するので、公正な報道が出来ません」と宣言しているようなものです。

これでは、読者、視聴者の信頼は得られないし、政治権力にも舐められっぱなしということになってしまいます。(いや、もうなっていますね・・・)

 

かつて、報道は権力監視の役割を担っていたはずですが、いまや、それを期待できるのは週刊文春だけなのでしょうか。