傍流雑記帳

「本流」をはずれたら、気づいたことがたくさんあった。

元号がすごく不合理な件

先月、引っ越しをしたのですが、荷物の移動と同じくらい大変だったのが、その前後の諸手続きです。

賃貸契約や保証会社の契約にはじまり、免許証の住所変更、役所、銀行、証券会社、保険会社などなど・・・。

たぶん数十枚の書類に記入したと思います。

 

その時に、あらためて気になったのが、日にちの表記です。

役所関係は、ほぼ100%元号で記入するようになっていますが、民間企業はまちまちです。

「和暦」と「西暦」が選択できるフォームもあったし、同じ会社なのに、書類によって元号だったり西暦だったりすることもありました。

 

通常、私たちが使う時間の単位は、「秒」から始まって、「分」、「時間」、「日」、「月」、そして「年」です。単位というのは、基本的に世界共通で普遍的であるべきなのに、なぜか日本の元号だけは、天皇という1人の人間の死去、あるいは退位によって、ある日、突然変わってしまうという、おかしな現象が起こります。

 

君主が変わった時に改元する「一世一元の制」は、過去、東アジアの国々で見られましたが、いま、この制度を取っているのは、私が知る限り、日本だけです。

台湾にも元号はありますが、中華民国建国の1912年を起点にカウントして「民国○○年」としているので、元号が変わることはありません。

 

西暦も、もともとはキリスト教に基づく単位なので、それが普遍的といえるかと言えば、微妙なところですが、とりあえず、デファクトスタンダードとなっているのは、間違いありません。

 

「昭和の時代は、いろいろあったね~」みたいな文脈で、ノスタルジーに浸るぶんには、元号も悪くない気がしますが、「継続性がない」という点で時間の単位としては、やっぱり不便です。

 

例えば、役所関係は前述の通り元号固執しているので、「平成32年までに○○する」みたいな文書が山ほどあるはずですが、来年の改元が決まっているので、「平成32年」は永久に巡って来ないわけで、それ以降は全て新しい元号に読み替えなくてはいけません。

過去の話をする時も、「平成○○年は何年前?」と考えるよりも、西暦の方が計算がはるかに簡単ですよね。

 

それ以外にも、「海外で通用せず外国人には難解」、「ITにおける処理が面倒」など、あまりにもドメスティックで、「いまどき、それってどうよ」という感じです

グローバル化が進み、社内の共通語を英語にしているような企業では、さすがに西暦を使っていると思いますが、愛国心に燃える日本のお役人達にも、ぜひ一考していただきたいものです。